2009年2月 本会議代表質問
- 日本共産党の小松実でございます。最初に知事の政治姿勢について伺います。
いわゆる「派遣村」に集った労働者の、“仕事を、住まいを、暮らしを”という悲痛な叫びで、年が明けました。まさに「現代の蟹工船」、派遣労働者の異常な低賃金、非人間的労働をテコに、空前の利益をあげてきた大企業が、金融危機で一転、その労働者の大量解雇を始めたことに、余りに身勝手ではないか、との怒りの世論が広がっています。
この10年来、大企業の利益最優先に、経済社会の仕組みを根こそぎ改造する構造改革の嵐が吹き荒れ、深刻な不安が日本社会全体を包んでいます。いわゆる“ハケン切り”問題も、この構造改革の一環としての規制緩和、労働法制の改悪が根本にあり、財界・大企業のむき出しの利潤第一主義が惹き起こしたものであります。
この仕打ちは許せない、大企業は240兆円にまで膨らんだ内部留保、ためこみ利益を活用して雇用を維持すべきだ、政府は新たな解雇を規制する緊急の法的措置をとるべきだ、こうした声が高まっていますが、知事はどんな認識をお持ちか、最初に伺います。
構造改革が暮らしを破壊し、明日の展望を奪い、日本をダメにしてゆく、その異常きわまる事態に、国民の反撃が始まりました。非正規労働者が組合を結成して、企業に迫っています。後期高齢者医療制度への怒りは、政府に保険料の一部引き下げを行わせました。国民健康保険証取り上げへの怒りは、子どものいる家庭への配慮を政府に言わせました。
私ども日本共産党はこの構造改革路線に反対し、堂本県政発足の2001年いらい、繰り返し知事に見解を問うてきましたが、知事の答えは一貫して、この路線を賛美するものでした。「今をおいて改革の時はない」「いま改革しないと、世界から取り残される」、これが知事の変わらぬ答弁でした。こうして、国が立て続けに強行した社会保障の制度改悪のすべてについて、知事は、「制度存続のために必要な改革」だと述べ、国とまったく同じ見解、同じ歩調をとって、千葉県政に持ち込んだのであります。その結果はどうか。
難病のこどもたちへの県独自の助成制度は廃止され、2万6千人もの小児ぜんそくのこどもが、補助金を打ち切られました。障害者自立支援法による1割の「応益負担」が重過ぎて、施設利用できなくなった障害者が生まれています。国保の保険証とりあげは、全国トップクラスの多さ。後期高齢者医療制度による高齢者差別、また、然りであります。
負担増が県民を苦しめ、福祉を受ける権利の侵害につながっても、知事はなお「必要な改革」だと言い続け、その犠牲となる県民を支えるための、県独自の支援策をなんら講じてきませんでした。それどころか、福祉に民活路線を導入して、県直営の福祉施設を民間に明け渡し、県の責任を一歩一歩、後退させて、千葉県の福祉の遅れをより一層、深刻にしてきました。医療の危機が叫ばれるさなかに、県立病院の役割を放棄して地域医療を混乱に陥れ、今また、国が自治体病院つぶしのためにつくりあげた「ガイドライン」を振りかざし、市町村に突きつけて、病院リストラを迫っているのであります。
構造改革がきびしく問い直されている今、知事は、その路線を賛美・推進してきた自らのこうした県政運営について、反省はないか、胸に痛みはないのか、率直に伺いたい。
私はあらためて、自治体とは何かについて、知事に問いたい。地方自治体は国から自立し、あらゆる力をつくして住民の命と暮らしを守りぬく、ここにこそ最大の使命があります。暮らしと命をおびやかす国の悪政に対しては、毅然と立ち向かう、この確固とした姿勢を抜きにして、その使命は果たせません。国の言いなりでは、地方自治を担う資格はないのであります。
堂本知事2期8年の県政は、政府追随、地方自治の基本精神と相容れないものだったと言わざるを得ませんが、どうか、知事の見解を伺います。
それでは次に、堂本県政の8年間に、いったい何が行われてきたのか。県民に何をもたらしたのか、具体的に検証してみたいと思います。
まず第一に、指摘すべきは、県民の期待に反して、大企業の利益にしかならない巨大開発の浪費に歯止めがかかるどころか、逆に促進されてきた、という点であります。その一つが、八ツ場ダムであります。
私どもは、県が八ツ場ダム参画の根拠としてきた2003年作成の「長期水需給見通し」がいかに過大で、現実性のないものか、繰り返し明らかにしてまいりました。さすがに県も、昨年、その「需給見通し」を見直さざるを得なくなりました。新たな「見通し」は、なお過大ではあるものの、需要の大幅な下方修正がおこなわれた結果、八ツ場ダムなしでも、灌漑期には、水道用水は需要を日量約13万トンも上回り、十分に賄えることになりました。すると今度は、「近年の少雨化傾向」などというものを持ち出して、「近年20年のうち2番目の渇水時」を想定し、その際には、利根川水系全体の供給可能水量は86%になり、2020年度の一日最大給水量に、わずか4千トン不足することになるから、やっぱり八ツ場ダムは必要との結論になっています。
20年で2番目の渇水時を想定して、しかも一年のうちで最大の給水量になるその日、一日に、全県でわずか4千トン不足するから、そのためにダムを造らせてください、760億円を負担してください、と言われて県民は到底納得するものではありません。数字のつじつま合わせをしてまで、何が何でも建設に突っ走る、「八ツ場ダム先にありき」の姿勢は、根本から改める必要があります。お答えいただきたい。
しかも、下方修正したとはいえ、見直し後の新たな「長期水需給見通し」もまた、過大な見積もりに過大な見積もりを重ねたものであります。
例えば、人口の将来推計です。新たな「見通し」では、目標年度2020年の給水区域内人口を625万7千人としています。しかし、国立社会保障人口問題研究所は、同年の千葉県人口を600万8千人と推計しています。25万人もの、この違いをどう説明するのか。県人口を25万人も上回る人々に給水しようというのでしょうか。明確にお答えいただきたい。
一日最大給水量も、下方修正されましたがなお過大であります。県の資料によれば、1995年から2005年までの10年間で、一日最大給水量は、4万トンも減少してきました。その間、給水人口は532万人から567万人へ35万人増えています。人口が増え続ける中で、しかし、水使用量全体は減っているのです。にもかかわらず、新たな「見通し」では、2020年には、逆に27万トンも増えることになっています。この間、人口が増え続ける中で、なぜ水需要が減ってきたとお考えか。この先、人口が減少するのに、なぜ水需要が大幅に増えると考えるのか。根拠をお示しいただきたい。
必要のない無駄な巨大事業からは、きっぱり撤退すべきであります。知事の決断一つで、貴重な県費が節約できるではありませんか。特定多目的ダム法の第12条では、利水にかかわる部分は返却されることになっています。利根川流域下流の知事の撤退宣言は、貴重な県費を取り戻すだけでなく、国家的な浪費にストップをかける力になります。改めて、撤退の決意を求めます。ご答弁ください。
巨大開発への浪費という点では、つくばエクスプレス沿線開発も、まったく同じ構造であります。12月議会でも明らかにしたように、10万5千人という開発人口も根拠のない過大なものなら、保留地単価も、周辺地価と比べて根拠のない高すぎるものに設定し、さらに、実際には一戸当たり4千万円かかっている移転費用を2千5百万円と設定するなど、ごまかしともいえるような算定で、総事業費は、異常に低く見積もっています。破綻は必至だと言わなければなりません。抜本的な見直しを改めて求めるものであります。ご答弁ください。
知事が力を入れる巨大道路についても事態は同様であります。国交省でさえ、2020年まで、交通量が増え続けるとした従来推計を下方修正し、2030年には、2005年比で97%へと減少するとしています。人口減少ペースが早いこと、利用距離の短い軽自動車が増えていること、貨物輸送量が減少していること、などがその理由であります。これから先、巨大道路を何本もつくらなければならない根拠はなくなっています。昨年、国交省が実施した各県の知事・市町村長への調査でも、千葉県の市町村長からの要望のトップは、「身近な道路に関すること」でした。続いて、生活幹線道路の整備や歩道の段差の解消などのバリアフリー化が上位を占め、高速道路の整備は、ずっと下の13番目だったではありませんか。巨大高速道路優先の道路行政は、県民の願いとはかけ離れています。生活道路中心へと道路行政の抜本転換が必要であります。お答えください。
過大な見積もりの上に過剰な支出をおこない、当然のようにそれが破綻すると、その処理にまた莫大な税金が注がれていく。破綻に直面しているかずさアカデミアパークの現状が、それを証明しています。2001年には、完成していたはずのかずさは、149ヘクタールの民間用地のうち、契約済みは、半分の78ヘクタール。そのうち最大の30ヘクタールを契約している富士通は、「進出困難」を表明しています。実質は、100ヘクタール以上が、未契約のまま。空き地になっているではありませんか。そのため、際限のない県費の投入が続いています。DNA研究所への県費投入は、今年度までに262億円、ひたすら企業進出を待っているだけの空き地の一括借り上げの地代は、総額で123億円。進出企業がないために資金繰りに行き詰まった株式会社かずさアカデミアパークへの直貸しが21億円。それでもまだ、2期事業に固執しています。異常としか言いようがありません。大企業・財界言いなりに、その利益のために、巨大開発に巨額を注ぎ込む、この浪費構造を根本から改めることなしに、県民の願いに応える県政は実現できない、このことを改めて強調しておきます。
第二に、堂本県政8年の特徴は、徹頭徹尾、大企業優遇が貫かれてきたことであります。
その端的な表れが、企業立地補助金の50億円から70億円への引き上げです。茂原のIPSアルファテクノロジへの50億円の補助金の根拠の一つは、雇用の拡大でした。しかし、この間の議会論戦でも明らかなように、正社員は、すべて親会社からの横滑りでした。しかも、親会社を含めた正社員は逆に減らされ、非正規雇用に置き変えられただけでした。その非正規社員が、この不況のなか、昨年8月以降、437人も切られています。50億円は、地元の雇用に何の役にも立たなかったどころか、悪化させたと言っても過言ではありません。それをさらに増額するとは、何事でしょうか。
あとで述べる、福祉・医療や教育、中小・地場産業への支援のお粗末さと比べると、1社に70億円とは、あまりに異常です。廃止すべきであります。お答えいただきたい。
私どもが、繰り返し求めてきた、大企業への法人事業税の超過課税の見送りも重大であります。この間、知事は、福祉や医療、教育等の県民要求をことごとく「財政が厳しい」の一言で退け続けてきました。しかし一方、財源確保の努力は尽くされてきませんでした。地方税法で認められ、知事の決断一つで実施できる超過課税は、地方交付税にも算入されず、まるまる県の増収になり、独自財源として使えるものになります。今年度ベースで実施した場合、140億円になるではありませんか。
なぜ、断念するに至ったのか。千葉県のいわば財界団体、京成電鉄のトップが会長を務める「千葉県経済協議会」との懇談の中で、強い抵抗が示されましたが、やはり財界の意向には逆らえなかったと言うことでしょうか。お答えいただきたい。
こうして、巨大事業への浪費と大企業へのサービスが続く一方、県民の切実な願いは、退けられてきました。その一つが、中小業者や地場産業に対する、切り捨てともいうべき、冷たい扱いです。
「中小企業元気戦略」や「商業活性化ビジョン」などの華々しい打ち出しとは裏腹に、とりわけ、商店街支援策が後退してきたことは、見逃せません。堂本知事就任時には、それでも1億4千万円あった支援予算は、今年度ついに4千万円にまで、3割以下にまで激減いたしました。当時、900を超えていた商店街は今、779に減少しています。1商店街当たり、わずか5万円という支援は、1社に70億円の大企業立地への補助金とは、雲泥の差であります。しかも、その中身は、「予算圧縮のため」などとの露骨な説明のもと、「みんなでつくる商店街モデル事業」などのモデル事業に特化し、その予算さえ、2007年度の2100万円から、新年度は、1100万円余と半分に削られてきました。
野放図に出店する大型店に客足を奪われ、厳しい経営の中、当然のように後継者難に悩む商店街は、しかし、地域社会が高齢化するなか、住民に身近なコミュニティーの場として、また、地域の顔として、きわめて重要な役割を担っています。
知事、あなたは、商店街の役割をどうとらえ、この間の衰退をどう認識していますか。
言葉だけでなく、予算も知恵も惜しみなく提供する、支援策の抜本的強化を求めるものですが、お答えいただきたい。
農業粗生産額が全国2位を奪還したとはいえ、千葉県農業も深刻な状況です。この5年間だけで、販売農家は、6分の1、1万2千戸も減りました。耕作放棄地も全国平均を上回っています。とりわけ、稲作農家の現状は、厳しいものです。昨年度の稲作農家の報酬は、時給換算で平均わずか179円。1ヘクタールから2ヘクタールの農家では、たった80円。1ヘクタール未満では、ゼロ。労賃も出ないという状況です。
今年度の県産コシヒカリの生産費は、1俵1万6千円を超えているのに、販売価格は1万4千円。つくれば赤字になる。それでも歯を食いしばるようにしてコメ作りを続ける農家に対して、県は、減反を押し付けています。やることが逆さまではありませんか。県内の米の消費量は、年間37万トンなのに、生産量は32万トン。米の輸入県になっているではありませんか。減反どころの話ではないはずであります。
こうした農家の苦境、そのなかでの頑張りを支えるはずの農業予算は、堂本県政スタート時の640億円から、今や400億円へと、3分の2に減らされてきました。しかも、そのうちの半分は、土地改良などの土木事業です。農業だけでは食べていけない、後継ぎもない、悲鳴にも似たこの声に、県は応えるべきです。
減反の押し付けをやめ、農業予算の重点を価格保証や後継者育成に切り替えるべきです。お答えいただきたい。
二つ目は、地方自治体の最大の責務であるはずの医療・福祉の遅れが放置され、深刻さを増してきたことです。
とりわけ重大なのは、高すぎる国保料を払いきれず、保険証を取り上げられ、その結果、命を脅かされるような事態が広がっていることです。千葉市で、飲食店を経営していた50代の男性は、肝臓疾患で全身がむくみ、呼吸さえ苦しくなるという状況でしたが、保険証がないために、病院には行かれませんでした。見かねた妹さんが受診させたところ、「あと3日遅かったら命がなかった」と、医者に告げられるほどの重篤な状態でした。医療関係者からは、「慢性疾患で定期的な受診が必要な患者が、資格証明書になった途端、治療を中断するケースが多い、重篤になる可能性が高く、心配だ」との声が上がっています。事実、県の調査でも、正規の保険証を持つ人の平均受診率が、年7.3回なのに対して、資格証明書の人は0.3回と、24倍もの開きのあることが分かっています。
千葉県の資格証明書の発行件数は、2万7千世帯を超え、全国4番目の多さです。人数でいえば、4万人、5万人もの県民が、医療から締め出されている。こんな事態をつくりだしておいて知事、胸が痛みませんか。こうした事態をどうお考えですか。お聞かせいただきたい。
資格証明書の発行については、国でさえ、慎重な対応を求めているのに、県内では、一律・機械的な運用をしている自治体もあり、県の指導がそれに拍車をかけてきました。医療を必要とする人には、保険証を交付すると、国も動き出しました。県も、ただちに改善を図るとともに、保険証の取り上げ自体をやめるよう、強く求めるものですが、お答えいただきたい。
千葉県社会保障推進協議会の調査によれば、資格証明書発行世帯の8割は、年収200万円以下の低所得世帯でした。「払いたくても払えない」のが実態です。保険料引き下げの努力が必要です。しかし、堂本知事が就任する前年には、それでも2億円以上あった市町村の国保会計への補助金を、知事は、年々減らし続け、ついに今年度からは、まったくのゼロにしてしまいました。許されることではありません。復活・増額して、住民の命と健康を守る自治体としての責めを全うすべきです。お答えください。
住民の命と健康をないがしろにしているという点では、県の地域医療からの撤退方針も重大です。とりわけ県立東金病院の現状は、廃止までは地域医療の拠点として「充実させる」との議会答弁にも反して、稼働病床わずか60床、救急にも対応できません。約束が違うではありませんか。お答えいただきたい。
その他にも、堂本県政のもとで、先ほども指摘したように、難病の子どもたちへの県独自の医療費助成が廃止されました。重度障害者への医療費助成に所得制限が持ち込まれ、入院時の給食代も本人負担になるなど、障害者に重い負担増が押し付けられました。県内の特養ホームの待機者は1万4千人、うち7千人は、自宅での待機です。本人はもちろん、介護にあたる家族の困難は、想像に余りあります。なぜ、こんな事態になっているのか。65歳以上の人口比で、千葉県の特養定員数が、全国47番目、最下位だからであります。堂本知事のもとで、千葉県の医療・福祉の遅れは、より一層深刻になった、そう言わなければなりませんが、見解を伺います。
さらに、子供たちの教育への冷たさは、際立っています。
私学助成について、堂本知事の就任以来、国が改善・増額しただけ、県の独自助成を削るというやり方で、私学助成は、一貫して削り取られてきました。そして、2004年度になると、国からの高校・幼稚園への助成金、つまり「私学に通う千葉の子どもたちの教育の予算ですよ」と、国が交付したお金に手をつけて、他の予算に流用するという全国に例のないやり方で、ピンはねを始めました。
県民の批判で、さすがにこれは改めましたが、他県が苦しい財政状況のなかでも国の予算に県独自の上乗せをして各学校・幼稚園に交付しているなか、独自助成ゼロの千葉県の、子ども一人当たりの助成額は、やっぱり全国最低クラスです。今年度も、高校が下から4番目、幼稚園は9番目。恥ずかしいとは思いませんか。千葉の子どもたちに申し訳ないとは思いませんか。
この間、県民の批判を浴びて知事は、いろいろな場面で「精一杯の努力」を約束してきました。しかし、やったことといえば、今年度、小学校・中学校で続く国からの助成金のピンはねの額を半分にするという情けないものでした。小・中学校でのピンハネは、相変わらず続いています。幼稚園から高校まで、抜本的な改善が求められています。せめて、全国平均にというのは、県民の当然の願いだし、行政の責任であります。わずか、16億円の積み増しで、幼稚園から高校まで、全国平均にできるではありませんか。この切実で、しかし控え目な要求に、今こそ応えるべきであります。答弁を求めます。
今、深刻な不況のもとで、私立高校では授業料滞納者が増えています。学費が賄えず、退学を余儀なくされる生徒がいます。授業料への直接助成を、の声は当然、かつ切実であります。
千葉県では、今年度の授業料減免を受けている生徒は、1248人。在籍生徒のわずか3.5%に過ぎません。全国平均は、21.3%、5人に1人は、授業料への助成を受けています。助成金額も、在籍生徒一人当たり、全国平均が3万円を超えているのに、千葉県はわずか6847円。文字通り、桁違いではありませんか。抜本的拡充が緊急に求められています。同時に減免制度の広報が決定的に不足しています。県が責任を持って、わかりやすいリーフレットなどを作成し、すべての生徒に配布すべきです。お答えください。
ことは、私学に限った事ではありません。公立高校の生徒一人当たりの教育予算は、全国45番目という情けない実態です。加えて、知事は「無駄な経費は慎まなければならない」とまで言って、行革推進委員会の提言に沿って県立高校の統廃合を進め、計画を上回る17校もの子供たちの学びの場を奪ってきました。
毎年20万から30万もの署名とともに提出される請願に象徴される世論と議会決議にも関わらず、少人数学級の取り組みも遅々として進んではいません。
子どもたちの教育にかける予算を出し惜しんではなりません。少ない教職員をやりくりしなければならないような、現場に負担をかけるやり方ではなく、教職員を抜本的に増員して、本格的な少人数学級を進めるべきです。お答えいただきたい。
以上、縷々述べてきましたが、堂本県政の8年間は、巨大事業への浪費と大企業の利益優先が貫かれ、そのしわ寄せが、県民の暮らしと福祉、教育など、自治体本来の仕事に押し付けられてきた8年間でした。いよいよ知事選であります。真の地方自治開花のためには県政の大転換が必要であり、堂本知事のこれまでの路線を踏襲・継承する候補では、誰であれ、千葉県の明日を、県民の暮らしを、託すことはできない、このことを強く指摘するものであります。
次に、喫緊の課題、雇用問題について伺います。
第一に、これ以上被害者を出さないため、企業への働きかけを強めるなど、県は全力を挙げるべきです。現在、国の調査でも、3月までに雇い止めされる県内の非正規労働者は、938名と増え続け、しかもその66%が、契約満了前の違法解雇です。新卒者の内定取り消しは、33名と全国で9番目に多く、とりわけ高校生の内定取消しは全国2番目と、極めて深刻です。ところが知事は、労働局長と連名で、従業員100人以上の事業所にお願いの親書を一枚郵送しただけ。教育長も、知事親書に教育長親書を例年どおり添付しただけ。あまりにもお座なりと言わざるを得ません。
一方、例えば三重県では、従業員50名以上の企業約900社に、県幹部職員が手分けして直接訪問し、「雇用の維持と採用内定の履行」を求めた知事文書を手渡し、要請するなど、文字通り県をあげた取り組みをすすめています。埼玉県では、昨年の副知事、県教委幹部の訪問に続いて、年明けには、教育長自らが、県内の経済団体を再度訪問し、「内定取り消しは本人や家族に対する相当な痛手」「夢ある若い人の将来に鑑み防止を」と明記した教育長名の要請文を、直接手渡すなど、真剣な取り組みを進めています。姿勢の違いは明らかではありませんか。県内企業に、知事、教育長はじめ県幹部職員が直接訪問するなど、解雇や内定取り消しの中止と雇用の拡大を真正面から働きかけるべきです。お答えいただきたい。
第二は、県自身が正規職員を増やし、新たな雇用創出の先頭に立つことです。県内労働者265万人のうち非正規労働者は、相次ぐ労働法制の改悪で増え続け、遂に2007年には100万人を突破しました。全体の37.9%で3人に1人以上が非正規雇用、全国4番目という深刻さです。ところが県自身もこの間、職員の非正規化を進め、知事部局の14%にまで広げてきました。県自ら、非正規化、雇用の不安定化に拍車をかけてきました。大問題であります。例えば、児童相談所の児童虐待対応協力員や児童心理司、あるいは県税事務所などでも、本来、正規職員が行うべき仕事を非正規で対応しています。財政の都合を優先させるのではなく、県みずから、雇用の安定の先頭に立ち、県民サービスを充実させるためにも、正職員化すべきですが、どうか。さらに、雇用破壊をとめなければならない今この時に、新年度340名もの職員を減らす計画です。やることが逆さまではありませんか。これ以上の職員減らしは止めて、福祉・医療・教育など、暮らしに関わる分野での、職員増を図るべきです。お答えいただきたい。
東京都では新年度、都単独の22億6千万円の予算で、介護職を目指す失業者や低所得者に対して、住居の確保、生活資金の一人45万円の無利子貸付、ヘルパ一2級の受講代金10万円程度の全額補助、さらにその介護職を半年以上採用した施設に1人あたり60万円の奨励金をだす「離職者支援・介護人材育成確保の緊急対策」を提案しています。他県でもさまざま努力がなされていますが、千葉県では当面8千万円の県予備費を使ってのわずか2カ月程度の臨時雇用だけです。あとは全て国の基金、それも臨時雇用です。あまりにも不十分です。東京都のように介護など緊急に求められる分野で、雇用の拡大と安定につながる県独自のきめ細かな取り組みを実施すべきです。お答え下さい。
第三は、すぐに職がない、新しい職業能力を身につけたい、という願いに応え、県が、人材育成に全力を挙げることです。当然、その中心を担うのが、県立高等技術専門校であり、各県とも、離職者を対象とした緊急の短期訓練課程を創設するなど、その充実に努めています。ところが逆に千葉県は、かつて10校あった県内の専門校を2010年には6校に、定員も1403名から589名に、6割近くもバッサリ削る計画です。しかも、この大事な時に、新年度、ちばキャリアアップセンタ一と長生校2校を廃校にします。「キャリアアップセンター」の介護サ一ビス科の応募倍率は、過去三年とも3倍近い高倍率ではありませんか。ここでも、やることが逆さまであります。この4月からの廃校計画は中止し、逆に、離職者等への特別の訓練課程を導入するなど充実すべきです。また、今後の高等技術専門校削減計画は、根本から見直し、職業訓練の充実強化にこそ、全力をあげるべきです。お答えいただきたい。
次に、消防問題について伺います。2012年を目途に「消防の広域化」が、そして13年を目途に「消防無線のデジタル化」「指令の共同化」と、自治体消防の姿が今、大きく改変されようとしています。
まず、「広域化」についてですが、これは、現在全県に31ある消防本部を7つに統合する計画です。「住民サービスの向上」や「消防力の強化」等がうたわれていますが、しかし、本当にそうなのか。
例えば、私の住む千葉市は市原市と統合することになります。消防ポンプ車をみると千葉市は、基準48台のところ、実際の配置も48台で、基準を満たしています。ところが、市原市の場合は、基準18台に対して、実際の配備は9台。現状のまま、統合ということになり、「広域化計画」の言うとおり、「消防署所や管轄区域の適正化」がおこなわれれば、当然千葉市の消防力は、逆に低下することにならざるを得ませんが、どうか。お答えいただきたい。
「消防力の強化」「住民サービスの向上」と言うのなら、まず、国の「消防力の整備指針」にも達していない、不足している消防職員やポンプ車・はしご車・救急車等の現状を抜本的に改善すべきです。ところが、そのための県の消防力強化事業の予算は、堂本県政のもとで、2001年度の4億2千万円から新年度1億6千5百万円へと減少の一途をたどってきました。肝心な予算は4割以下にまで削っておいて、「広域化」で、「整備指針」の充足率を引き上げよう、などという姑息なやり方は、到底、認められません。今、県がやるべきは、予算を増額し、市町村の消防力の整備を支援することではありませんか。お答えいただきたい。
「広域化」にあわせて、「消防無線のデジタル化」と119番の受信と出動指令を現在の千葉と松戸の二つの消防本部だけでおこなう「消防指令の共同化」が計画されています。これは市町村消防に莫大な事業費負担を強いるものであります。今、わかっているだけで、「無線のデジタル化」で、約70億円。「指令の共同化」で、65億円、合わせて135億円であります。しかし、そこには、隊員が個別に携帯するデジタル無線機の費用や常備消防と一体で活動する県下50の消防団、815の分団の装備の更新は、まったく算入されておりません。「指令の共同化」では、松戸市消防局を使う「北西部」は、2013年に、周辺6市でいったんスタートした後、2020年に、改めて、船橋、柏等の5市を加えて、本格的にスタートします。その際の費用、およそ46億円程度と言われるそれも算入されてはおりません。いったい、総額で市町村の負担は、どれほどになるのか。明確にお示しいただきたい。
では、これだけの負担を強いて、その効果はどうなのか。
「無線のデジタル化」については、電波の到達距離が短いとか、直進性が強いために、山間部や都市部のビル群の中では、乱反射等によって交信に支障がでるなど、さまざまな問題点が指摘されています。全国で初めての「指令の共同化」も、その危うさが指摘されています。千葉市の消防本部が人口300万人の地域をカバーし、銚子や館山の火災現場への、あるいは救急の出動指令を出すことになります。どちらも、時間との勝負です。火災は、通報から6分半以内で消火活動にはいるのが原則です。1秒を争う現場で、もたつきは許されません。指令を出す側も出動する側も、地域に密着し、地域を熟知していてこそ、自信を持って市民の安全を守ることができる。「本部の広域化」や「指令の共同化」に、現場から大きな不安の声があがっているのは当然であります。
これだけの負担を市町村に強いるのなら、そのお金を、市町村が、職員や車両・装備の充足に当てることができるようにすべきです。お答えいただきたい。
「指令の共同化」は、千葉県が全国で初めて行おうというものであります。なにも、国言いなりに急ぐ必要はありません。市民の命と財産に直接かかわる問題です。「広域化」にしても、「指令の共同化」にしても、何よりもじっくり、最前線で頑張る、現場職員の意見を聞くべきであります。三重県では、全ての消防職員にアンケート調査をおこない、その結果を公表しています。千葉県でも、調査をおこない、職員の声を十分に汲みあげるべきです。お答えいただきたい。
最後に、環境問題について伺います。
太平興産が富津市大塚山に建設した産廃処分場は、水が漏れない岩盤だからと、遮水シートもないまま造られ、当初からその安全性が疑われてきました。案の定、2006年8月、処分場から汚水の漏えいが発覚、地元住民や環境団体が、徹底した原因究明と万全の漏えい防止策を要求し、県も業者に埋め立て中止と、改善を勧告しました。
ところが、この業者が講じたという対策は、処分場の周りに48本の井戸を堀り、何十年もひたすら保有水を汲み上げるという、いわば応急的なもの。処分場からの汚水漏れ自体は、野放しのままであります。これで根本的な対策と言えるのか、地元が納得しないのは当然であります。
驚いたのは、こんな異常な操業を放置したまま、県がこの業者に、隣接する別の処分場への産廃持ち込みを、新たに許可したことです。「好ましいものではない」との市長の意見も退けられました。こんな地元も環境も無視したやり方があるでしょうか。事業者に汚水の漏えいそのものを止める根本的な対策を取らせるべきだし、その対策が講じられるまでは、当然、操業を停止させるべきです。お答えいただきたい。
県の責任が問われるのは、この産廃処分場だけではありません。昨年5月、県は、有名な観光地、鋸山の近く、富津市金谷地区に残土処分場を許可しました。3年間で東京ドーム0.7杯分の残土を持ち込むこの処分場は、民家からわずか700メートル。井戸水や海産資源の汚染への不安から、地区住民の7割が反対し、市長も「受け入れられない」と反対しました。富津市議会も昨年12月、残土搬入で港の利用を認めないことを求める意見書を、知事に提出しています。大事な飲み水が、地場産業が、観光資源が、台なしになりかねない。住民はもちろん、地元の議会も市長も、こぞって反対しているのに、それでも県が許可してしまう。知事、胸が痛みませんか。この切実な地元の声をどう受け止めていますか。お答えいただきたい。
産廃にせよ、残土にせよ、問題の根本にあるのは、どんなに地元が反対しようが、不安が残ろうが、業者が書類を揃えさえすれば「許可の判を押す」という県の姿勢であります。この姿勢を改めない限り、県の環境行政にたいする県民の不信は募るばかりだと思いますが、どうか、お答えいただきたい。
次に、県の土石採取対策審議会での審議がはじまった、鬼泪山国有林の山砂採取問題について伺います。
地元では、生活用水の4割をまかなっている水源が枯渇するのではないか、山砂を洗う際に生じる多量の泥土や飛び散った砂が海に流れ出し、漁業に深刻な影響を与えるのではないか、土砂運搬の車両が激増し、騒音、振動、粉じん、交通事故など生活環境に悪影響をもたらすのではないか、等々いくつもの不安から、大きな反対運動が始まっています。
報道によれば、知事はこの1月、山砂採取に反対している団体からの要請を受けた際、「私は、反対されている皆様と同じ思いだ」と述べたとのことであります。それが事実であるなら、今、この議場で、はっきりとその意思を表明すべきではありませんか。「山砂採取は認めない」との明確な決意をお示しいただきたい。また、審議会には、県幹部もそのメンバーに入っています。審議にあたって、県として「山砂採取反対」の明確な立場を貫くべきだと考えますが、お答えいただきたい。
産廃、残土、山砂採取。環境の看板を掲げ、観光立県を喧伝してきた知事のもとで、しかし指摘してきたように、この間、その根本が踏みにじられる裏腹な事態が進行してきました。環境と景観、そして何より住民の安心の願いに応える行政が求められています。この点でも、県政の抜本的転換は急務であることを、重ねて強く指摘し、第一回目の質問を終わります。