教育の国家統制に反対する意見書の趣旨説明
07年9月の本会議で「沖縄戦『集団自決』への軍の関与を否定する教科書検定意見の撤回を求める意見書」の提案理由を説明しました。以下は議場での説明です。
市川市選出の岡田幸子です。日本共産党を代表し、発議案第25号、「沖縄戦『集団自決』への軍の関与を否定する教科書検定意見の撤回を求める意見書」の提案理由を述べます。
文部科学省は、2008年度使用の高校歴史教科書の検定に際し、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付け、5社7冊の高校日本史の教科書で、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させました。
政府によるこの歴史の歪曲に対して、沖縄では島ぐるみの怒りが、うねりとなって湧き起こり、9月29日に開かれた「教科書検定意見の撤回を求める県民大会」には、11万人を超える人々が参加しました。「命どぅ宝」−命こそ宝という心を持つ沖縄で、自分の親や子どもをわが手にかける痛ましい「集団自決」が、日本軍による強制なしに起こりえなかったことは明らかです。体験者の痛みを伴う証言が、軍の強制をまぎれもない事実として裏付けています。
県民大会で発言した高校生は、「おじぃ、おばぁたちは重い口を開き、苦しい過去を教えてくれました」「この記述を無くそうとしている人たちは、沖縄戦を体験したおじぃ、おばぁたちが、うそをついていると言いたいのでしょうか」と述べました。島ぐるみのこの声を、私たちは真摯に受け止めるべきです。
県民の強い意志を受け、沖縄県の議会も大きく動きました。沖縄県と県下41のすべての自治体が、今回の検定は「到底容認できるものではない」と、抗議の意見書を採択しました。今月3日には、仲井真(なかいま)県知事、仲里県議会議長が渡海文部科学大臣と面会し、検定意見の撤回を求めました。県議会議長は「沖縄県民137万人の同じ思いを受け止めて欲しい」と述べて、県民大会で採択された決議文を手渡し、知事も要請文を手渡しました。渡海文科相は「大変重く受け止める。みなさんの気持ちを反映させるよう関係者で知恵を出したい」と述べたと報道されています。
いま開会中の臨時国会では、福田康夫新首相が、日本共産党・志位和夫委員長の代表質問への答弁で、「9月29日の県民大会には多くの方が参加しており、沖縄県民の思いを重く受け止めるべきと考えている」と述べました。事態は大きく動いており、あと一歩で、不当な検定意見を、実際に撤回させることも不可能ではない局面が、開かれつつあるのです。今こそ、千葉県議会としても、沖縄県民の思いをしっかりと受け止め、国に堂々と意見を述べて、この流れを加速する時ではないでしょうか。
歴史の事実を直視し、これと真摯に向き合う。私たちの国で、このことが今ほど切に求められている時はありません。従軍慰安婦問題で「軍の強制はなかった」などと居直る政府の態度が、国際社会のきびしい批判を浴びていることは、周知の事実です。そのさなかに、こんどは沖縄「集団自決」をめぐる軍の強制をも否定する。歴史にたいする、こんな二重、三重の歪曲が、どうして許されるでしょうか。
未来に生きる子どもたちに、歴史を正しく伝えていくことは、私たち大人の厳粛な責務であり、これこそが、平和を希求し、悲惨な戦争を再びおこさせないという、日本国憲法が指し示す道を、未来に向かってしっかりと歩む、何よりの保障だと考えます。
この千葉県から、この願いを国に意見書としてあげて行きましょう。議員各位の良識ある判断を切にお願いし、趣旨説明といたします。