

千葉県議会は、日本共産党を除くすべての政党・会派が与党として堂本県政をささえる、文字通り「オール与党」議会です。05年3月の県知事選挙では、民主・公明・社民・市民ネットが堂本候補を推薦・支持しました。自民党は対立候補を擁立して「対決」しましたが、県政運営の基本政策では知事と完全に一致しており、予算をはじめ重要案件はすべて自民党の賛成で成立しています。自民党は堂本県政をささえる最大与党です。この「オール与党」議会のもとで、県民の願いをふみつけにする冷たい政治が行なわれてきました。

①大増税と負担増―――国の悪政を千葉県に持ち込み、推進
定率減税の半減・廃止や高齢者への大増税、社会保障制度の連続改悪。息もつかせぬ県民負担増のどれについても、知事が「制度存続のために必要な改革」などと国の言い分を代弁し、県民生活悪化の事実すら認めないのは、その姿勢を「オール与党」議会がささえているからです。定率減税廃止の県税条例改正議案は自民、民主、公明、社民の賛成で可決されました。一方、共産党が提出した「定率減税を廃止するな」の意見書は、自民、民主、公明、市民ネットが否決しました。
②県独自の制度を改悪して、県民生活の悪化に追い討ち
難病の子どもたちの医療費助成制度を県が廃止して、小児ぜんそくをはじめ、県内3万人の子どもたちが助成を打ち切られました。「助成制度を復活して」「それまでの間、緊急の救済措置を講じて」と願う請願を、自民・民主・公明が繰り返し否決しました。市町村国民健康保険への県補助が年々カットされ、千葉県の正規保険証取り上げ数は全国一という由々しい事態です。しかし「保険証取り上げやめよ」「県の補助金を増やして」との請願は、すべて自民・民主・公明が否決しました。重度障害者医療費助成制度を窓口無料化方式にしてほしい、との障害者の請願に、自民・民主・公明は一貫して反対し、県も背を向けてきました。07年度から県は、助成に所得制限を導入し、入院時の食費補助を廃止して、5億円の県負担を浮かせるとしています。県立高校の授業料滞納7ヶ月で出席停止、9ヶ月で退学とする非情な授業料取立てマニュアルが、4月からスタートしました。子どもたちの学ぶ権利が侵され、社会的格差が拡大しようとしています。
③「官から民へ」の号令で、福祉をどんどん切捨て
自治体が公的責任をはたすべき業務まで営利企業に明け渡す、いわゆる公務の市場化が「官から民へ」の号令のもとで急速にすすんでいます。福祉施設の民間委譲や廃止、定員縮小が、「施設から地域へ」の掛け声で強行されました。知的障害者施設・袖ヶ浦福祉センターは、自民・民主・公明・市民ネットの賛成で定員を280人から120人に縮小。退所者の3割は別の施設へ移っただけで、「地域へ」の看板も偽りでした。職員の賃金は大幅にカット。正規職員263人、非正規職員27人の体制は、正規職員142人、非正規職員98人へと激変しました。県自身が雇用と労働条件の悪化をつくりだす、その大改悪を「オール与党」が推進しているのは大問題です。
④歳出減らしがすべて、行革委員会の号令で自治体リストラを強行
一連の制度改悪は、千葉県行政改革推進委員会の大号令による自治体リストラとして推進され、福祉・教育が標的にされています。財界の意向をストレートに千葉県政へ持ち込む役割を持つこの行革委が、歳出削減だけを目的にすすめる論議がいかに乱暴なものか。高校再編第三期計画では、生徒が増える地域での4校の削減が大問題となっていますが、行革委では、「高校を減らせ」「先生を減らせ」「都市部では県立高校はいらない」などの発言が横行。その号令で県行政が動き、議会が支持する、由々しい事態です。「高校をつぶさないで」の請願は自民・民主・公明が否決。地元の高校がなくなれば、遠距離通学がさらに増えます。自民党は「行きたい学校なら、子どもはどんなに遠くても通うもんだ」と放言しました。

県の事業分だけで総事業費2千億円のつくばエクスプレス沿線開発は、人口想定も地価想定も過大なバブル時代の計画が行き詰まり、共産党の追及に県も見直しを明言。しかし莫大な県費投入は今後も続きます。自民党は「早期完成に向け全力を」と要求。利子を含め県民の総負担額760億円の八ッ場ダムは、治水・利水の両面から必要性に乏しいことが明らかなのに、県は計画促進をかかげ、毎年の支出を続けています。 100円かせぐのに570円かかる東京外環道路。県はすでに1250億円を支出。「世紀の愚挙」と評されるアクアラインの大赤字に反省もなく、県は東京湾口道路の建設へ毎年調査費を計上、その累計は2億5千万円に達します。東京~千葉間臨海部の交通量が県の予測に反して減少しているのに、第2湾岸道路は必要だと言い張っています。 かずさアカデミアパークは建設費と運営費あわせ総計1400億円の県費を投入。しかし予定した企業は進出せず、3セクの運営は大赤字。破綻をとりつくろう新たな財政投入が始まっています。それでも県は第2期構想にしがみついています。 自民党県政からの「負の遺産」を嘆く堂本知事のもとで、その遺産はそっくり継続され、傷口を広げ、より大きな「負の遺産」として次代に引き継がれようとしています。 巨大開発に税金を湯水のようにつぎこむ毎年の当初予算は、すべて自民・民主・公明・市民ネットの賛成で成立しています。

県が50億円の補助金つきで茂原市に誘致した先端産業・IPSアルファテクノロジ。議会では「最先端の技術が、千葉県から全世界へ発信されることに感銘」(自民)、「同工場への大きな期待が持たれている」(社民)など賛美の声が続出。しかし正規職員は地元採用ゼロで、すべて親会社(日立ディスプレイズ)からの横滑り。しかも親会社はそれをテコに大リストラをすすめていることが判明しました。地域の雇用構造は大きく悪化。地元雇用の拡大と地域経済の活性化を巨額補助金の根拠にしていた県の言い分は、土台から崩れました。

住民税の定率減税廃止による千葉県民の負担増は449億円で、今年度の県内企業の法人関係税への減税額470億円とほぼ同額。県民から搾り取って大企業に注ぐ、税制のゆがみがクッキリです。 大企業に応分の負担を、これは国と自治体を通ずる財源対策の焦眉の課題です。とりわけ千葉県は、全国の他の工業県ならどこでも法にもとづいて実施している大企業の法人事業税への超過課税の導入を、かたくなに拒否し、年間240億円(06年度ベース)の財源を放棄。その一方で、すべての県民に網をかぶせる県民税均等割の増税(仮称みどり新税、或いは森林環境税)について、「取り入れる考えはないか」(公明)「導入を決断するか」(公明)などの催促に呼応して、08年度導入を検討しているのは、きわめて重大です。

JFE、昭和電工、コスモ石油―――コンビナート大企業による相次ぐ環境汚染や工場事故、そこで発覚したデータ改ざん事件。 県の環境行政はいっぺんに信頼を失いました。大企業にどこまでも甘い県の姿勢が根底にあります。監視の目が必要だ、住民参加の 「公害防止協議会」を設置すべきだ、と共産党は要求。しかし県は「違反事件で傷つくのは企業自身、だから企業は自ら襟を正すはず」 という"企業の善意だのみ"に終始し、協議会の設置を拒んでいます。県の公共埠頭にドラム缶6千本の硫酸ピッチを不法保管し、 そこから北海道の原野に不法投棄していた相模運輸倉庫に対し、県は、賃貸期限切れになった埠頭用地を再び賃貸契約する始末。 不法投棄への毅然たる姿勢を県に求めた共産党提出の決議案は、自民・民主・公明が否決しました。 その3党が、工場敷地の緑化率を従来の20%から10%に引き下げる条例に賛成。環境は二の次、企業利益優先の県の姿勢を、 「オール与党」議会がささえています。

大型店の乱立で「空き店舗」率が9%を超え、疲弊する商店街。県内小売店の売り場総面積にしめる大型店の比率は、7割近くに上昇しました。 仕事の減少と資金難による中小企業の倒産・廃業は後を絶ちません。「規制緩和」の突風が吹き荒れるまま、県は有効な対策を何ら講じようとしません。 商店街振興のための県予算はわずか4300万円で、3年前の3分の1に激減です。 自民党農政の言いなりに、家族経営をつぶして農地をひとにぎりの大規模農家に集中する道を、県は突っ走っています。 農林水産予算の半分以上が土木事業につぎこまれ、価格保障や後継者対策はほとんど無に等しい状況です。

県内の市町村数は合併により80から56に急減。県は「住民の意思を尊重」「市町村の自主合併」と言い続けてきましたが、 実態は、一方で「交付税の減少」など不安をかきたて、他方で合併後の姿をバラ色に描いての、強引な押し付け合併そのものでした。 いま第2ステージをむかえ、政令指定都市づくりを含む、より大掛かりな、新たな合併案を県は提示。しかも各ブロックごとに県が列挙した 「なぜこの地域で合併が必要か」の理由は、巨大開発や医療大再編など、すべて県がねらう事業ばかり。住民不在の合併大合唱のなかで、 住民投票を敵視する発言が堂々とまかり通っています。こんな合併を「市町村が合併で足腰の強い行財政基盤を確立することが非常に重要」(自民)と礼賛。

横須賀基地への米原子力空母配備について、核事故が起きれば千葉県の被害ははかり知れない、千葉県知事として国に配備反対を 意思表示すべきではないか、と共産党は質問。ところが知事は「横須賀は千葉県にはございません」と、千葉県とは無関係と言わんばかりの 答弁を行ないました。憲法9条改悪について、知事は「ノー」の意思表示を頑なに拒否しています。米軍再編の一環として、県内自衛隊基地が、 海外で戦争する米軍とより緊密に一体化する重大な動きについても知事は、「国防は国の専管事項」として一切ものを言わない姿勢です。 「オール与党」が、それをがっちりささえています。共産党提出の「原子力空母の横須賀配備やめよ」の意見書は、自民・民主・公明が繰り返し否決しました。


05年の県知事選挙で自民党は、堂本知事に対立候補をたてて「対決」、選挙後は「野党」宣言しました。しかし、県民負担増と福祉切捨て、巨大開発優先、 大企業奉仕という県政の基本方向では、知事と完全に一致しており、予算をはじめ知事提出議案はすべて自民党の賛成で成立。知事も「自民党とは女性施策も 含めてほとんど同じ考え方」(朝日06年3月26日付)、「本当はあなたと同じなのよ、と自民党に言いたい」(読売06年3月26日付)とエールを送るほど。 文字どおり自民党県政そのものです。 自民党が男女共同参画条例に難色を示し、「障害者差別禁止条例」に難癖をつけたのは、男女平等をはじめ真の平等社会、民主主義社会を嫌悪する固有の反動思想に もとづいた、「これだけは許さない」というごく例外的な行動にすぎず、野党になったわけではありません。

国政での自民・公明の連立とともに、県政でも両党の一体化が進行。公明党は堂本県政の完全与党として、知事提出の、巨大開発優先、福祉切り捨て、 大企業利益奉仕のすべての議案に賛成、悪政の全面的な応援団となっています。国政で「増税戦犯」となっただけでなく、県政でも庶民増税(仮称・森林環境税) の旗振り役です。男女共同参画問題などで自民党が知事との間に不協和音を発すると、すかさずその隙間に入り込んで「本家与党」風を吹かせ、今では公明党が 質問に立つと、知事は「よく調査された質問」「本質をついた質問」など、追従答弁を繰り返しています。 徹底した反共主義を最大の特徴とし、住民の願いをことごとく葬ってきたのがこの党の実際の姿です。乳幼児医療費助成の拡充を願う請願には、99年~05年の 7年間で合計17回、採択に反対してきました。 障害者団体(障害者の生活と権利を守る千葉県連絡協議会)のみなさんが県議会に提出した請願は、この4年間で延べ27項目。公明党はそのすべてについて 採択に反対。「障害者がデイサービスやショートステイを居住地域で利用できるよう、基盤整備を急いでほしい」「重度心身障害者への医療費助成制度を、 窓口無料化方式にしてほしい」「障害児学校の入学者が増大して学校が過密化しているので、改善してほしい」等々、こんな当然の願いまで問答無用で否決する党が、 「福祉の党」を看板にしています。

マスコミを使った「2大政党」への世論誘導のもとで、第二保守党としての本質が急速に露呈し、今では県政与党として、「福祉切捨て」「巨大開発優先」 「大企業奉仕」の予算をはじめ、知事提出の全議案に賛成。自民・公明とまるで見分けがつきません。 福祉の願いにことごとく背を向け、「子どもの難病医療費助成制度を復活して」「障害者応益負担は導入しないで」「医療制度の大改悪やめて」などの請願を軒並み、 自民・公明と一緒に否決。県立学校の地震対策促進決議にも反対。「憲法9条守れ」「原子力空母の横須賀配備やめよ」の意見書を否決。「庶民大増税を実施するな」 「定率減税を廃止するな」と願う意見書は、自民・公明とともに、この2年間で7回も否決しています。 花沢三郎元県議の脱税事件では、議員辞職を求める決議にも、真相解明決議にも、自民・公明とともに反対し否決。政務調査費への領収書添付にも反対しました。 一つの案件について、所属議員の賛否がバラバラで、誰の態度が党の公式態度か分らないのが民主党です。年金改悪法の実施凍結を求めた意見書案(04年6月議会)では、 8人の同党議員が賛成、反対、不明に3分裂。文教常任委員会では、教育基本法改悪をめぐって二人の民主党議員が賛成と反対に対立し、賛成側の議員が 「私の主張こそ民主党の公式見解だ」などと発言する始末です。

選挙で堂本知事を応援した与党ですが、巨大開発優先の当初予算には反対。ところが、その決算に賛成する、矛盾した行動をとっています。 定率減税を全廃する県税条例改正案に自民・民主・公明とともに賛成。50億円もの補助金で誘致した巨大企業に、期待感を表明しました。教育現場からの切実な願いを 冷たく切り捨てるのが社民党の顕著な特徴。競争教育をいっそう激化させる「全国いっせい学力テスト」の中止を求める意見書、特別な支援を必要とする子どもたちに 豊かな障害児教育を進めるため、教員配置や施設整備、予算の確保を十分にと求めた意見書、すべての小中学校に複数の養護教諭をと願う請願、子どもとふれあう時間の 確保のため教員配置を手厚くと願う請願、これらすべてを自民・民主・公明・市民ネットと一緒になって否決。生徒増加地域で高校を4校も削減する「高校再編第3期実施プログラム」 は撤回を、と求めた請願を自民・民主・公明とともに否決しています。

負担増と福祉切捨て、開発優先、大企業奉仕の県予算にすべて賛成。「八ッ場ダム反対」の討論までやりながら、その予算を計上した当初予算に賛成して、ひんしゅくを買いました。 「規制緩和」「官から民へ」路線を支持し、その端的な現れである社会保障の大改悪や、知事が推進する福祉切捨ての自治体リストラをことごとく応援。知的障害者施設・ 袖ヶ浦福祉センターの定員削減(280人⇒120人)、障害者通勤寮など県立福祉施設の廃止議案もすべて賛成。「庶民増税やめよ」「定率減税を廃止するな」の意見書を 自民・民主・公明と一緒に繰り返し否決。悪政に苦しむ庶民の痛みは、まったく分かりません。
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